さすがに厳しいベトナム航空

ベトナム上場企業の第3四半期決算では、依然として損失を計上しているのが全体の10%程度、増益・減益がそれぞれ半分ぐらいだが、増益の方が多いので全体的に見ると成長軌道に戻れている感じがします。

ホアファットグループ(HPG)の様に過去最高益を計上するなど目を見張るところが出てきていますが、建築系、水産系、旅行系あたりが弱含みで推移しています。建築系は手を出してもいいかな?などと思いつつ、水産系は増収のところでも減益を食らっているし、ヨーロッパ市場がやられているので今は少し様子を見ています。

気になるのは、第3四半期決算で最も巨額の損失となったベトナム航空(HVN)。

既に色々とニュースになっているけれど、さっと第3四半期の決算書を読んでみたところ、第3四半期の売り上げは7兆6千億ドンと前年同期と比べると3分の1にも満たない売り上げしかない。鬼の給与カットをはじめ各種費用削減に取り組んでも、コストは10兆ドンを超えてきて売り上げを相当に上回ってしまっている。

財務諸表を見ても、この9か月間で営業キャッシュフローがマイナス6兆2,695億ドンにまでなってしまい、短期預金が3兆5千億ドンから6,560億ドンにまで減っています(逆に短期の借入は5兆ドンぐらい増えている)。

国内需要が完全回復したと言われている中でのこの決算ですので、これはかなり苦しい。

ベトナム航空はもともと海外線で稼いでいた会社であり、国内も需要が完全回復したとはいえ運賃は昨年の半分程度しか取れていない現状から、これ以上収益を上げていくことが難しそう。ベトナム航空自身も2021年10月末まで回復しないという見通しを立てているので、これは政府による資本増強支援コースになりそうです。

Vietravel(VTR)も市場参入してくると言っていますし、バンブー航空も米国線のライセンスを取得するなどしています。ベトナムの航空業界はコロナ終息後も激しい競争が待っていそう。

という事で、これからも航空会社に手を出すことはないけれど、ゆっくりと空港会社を取得してみるのはアリかな?などと考えています。

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