コロナウイルスが終息したベトナム あと結婚の話

さて、ベトナムはコロナウイルスがすっかり終息した模様。街中もバイク・車のクラクションが聞こえてきて、いつもの喧騒が感じられる。ハノイは40度で余りにも暑いので、エアコンのない人がクーラーが効いてるイオン・モールに集まりえらく混雑するといった具合だけれども、これもコロナウイルスはもう大丈夫と思う気持ちの表れだろう。

ニュースを見ても、注目されているのは全くコロナウイルスとは全く関係ない話。

注目されているのは、ベトナム政府が4月28日に発表した、2030年までの地域別の出生率に関連した話であるのだが、端的に言うと「男女ともに30歳までに結婚して子供を早く生むこと。」「女性は35歳までに2人目の子供を産むこと。」を政府が推奨するというもの。

目的は出生率を2.0~2.2にするためであるが、政府が「婚活イベントを設定する。」「若い世代の友達作り(まあ、結婚目的での男女という事)」「結婚に向けた健康に関するコンサルティング」を行う他、地域ごとに独自の住民が参加する結婚教育に関するプログラムをつくるといった具合である。

政府は「2人の子供を作ることのメリット」や「遅く結婚して遅く子供を産むことのデメリット」を説いているが、それに関する反応は何となく予想できるだろう。。。。

「都市部の生活費が高騰している。多くの子供を持ってよい教育を受けさせるのは無理だ。」「30歳以下の結婚では男は十分に成熟しておらず、簡単に離婚しやすい。その場合の負担はすべて女性にいってしまう。」といった具合だ。

さらにベトナムでは結婚するまでに安定したキャリアと家・車の所持が理想とされるが、これも30歳までに揃えるのは厳しい。これに加えて結婚後は両方の両親の金銭的なサポートが出てくる。なんせベトナムの年金では生活は無理なので、子供がその保険であるのが実態。政府自身も2人産めば十分に両親を支援できるといっている次第で。。。。

ベトナム女性は2人産んだとしても出産後も働く必要あるし、ベトナムの男は家事が期待できないので、家庭も見なければいけない。主婦になるのも「息子の金を使って生活するのか」と相手方の両親から評判が悪いと、女性にとってなかなか負担が大きい。

多くの人は、政府の言う理由はわかる。だけれども結婚と子供を産むのは個人の自由の範囲であり、自由に選択できるものであり市民の義務ではない。女性の年齢期限を定めて、さらに女性のキャリアに影響を与え、男女間の不平等も加速する。女性にとってプレッシャーをより与えるものになるといった感じだろう。

ちなみにLGBTの方々もこの政府方針に影響されるとの事。今でさえLGBTを隠すために結婚している例が多々あるのだが、より一層社会的なプレッシャーを受けると言うのは、確かにその通りだ。。。。

この他にも「遅い結婚と独身には社会的な貢献を求める」等々、具体的には述べられていないが、独身税?といった負担増しもあり得るため、まだまだ議論を呼びそうな話である。

ホーチミンの出生率は1.37、ハノイは概ね2.0あたりで差が出ている。さらに言うと北部地域はほとんどが出生率が2.2以上(33県該当)あるのだが、中部は2.0-2.2(9県該当)あたり、そして南部は2.0以下(21県該当)と見事に分かれている。そこら辺は日本と事情が異なるので面白いところである。

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