ベトナム株の権利確定日に関する話をしたが、ついでにベトナムの株式配当に関する基礎情報を少し紹介。
ベトナム株では現金配当の他、株式配当を貰えることが多々ある。株式配当を行う企業は割と定期的に行うため、毎年10%や15%と株式数が複利的に増えていくので、長期で保有しているとバカにならない株数になる。株価は別としてそれはそれで楽しい世界となっている。日本で買う場合は配当分の株式が売却される様で勿体ないが、それなりによい現金収入にはなるだろう。
日本との違いはベトナムでは現金配当、株式配当ともに配当がある度に株価が調整されるという点になる。
配当支払い日の株価ボードを見てもらうと良くわかるのだが、基準額、ストップ高・安の表示が最初から調整されてボードに表示されている。(調整前後の株価ボードを掲載しようと思ったが、撮っていないのでパス)
基本的には上記式で調整後の価格が決まるが、早い話が現金配当はその額、株式配当はその割合分が引かれると思っておけばいい。
なぜ調整が行われるかというと配当日の需給の不均衡是正と価格面での売り手と買い手の公平性を担保するためとなっている。
株式配当は面白いのだが、真水の現金を入手できる現金配当が最も望ましい。会社も現金を払えるだけの十分なキャッシュフローがあるという証拠でもあるし、投資する側としても現金を入手できるのは安全策として重要である。
ちなみにこれまで受け取った中で最高の配当利回りは1回の配当で14%強(税引き後、しかも購入価格ではなく発表時の価格)。まあ某アメリカ企業の様に無理してまで配当を払うというのでは困るけど。。。
株式配当の場合も株価が下がるが、市場の流動性が高まるため他の投資家が株式を購入しやすくなるという利点はある。会社にとってもビジネス拡大のための資金を配らずに確保できるといった側面もあるので決して悪い話ではない。ただ端株がほぼ必ず発生するのでこれはこれでちょっと面倒なのだが。。。
現金配当のデメリットは企業のビジネス拡大のために使える資金が減る、法人税との2重課税といったところだろうが、ベトナムは現金配当への課税率が5%なのでこれは投資家にとって優しい。
ベトナム自体がお金持ち(=投資家)に相当有利になっているのだが、株式を相続する場合は10%しか課税されない。ただ不動産に至っては家族内譲渡であれば相続税が課されないので、ベトナムで株式がマイナーである理由はここにもあるだろう。
お金持ちはよりお金持ちに、貧乏人はいつまでも貧乏人というのがベトナムの世界。資産と何より強力なコネクションが必要な社会構成であるため、資産もコネクションを持たない人にとっては、人生最初からハードモードなわけである。
しかも日本では決して想像つかないレベルでの話である。。。
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